北電への賠償請求でコープさっぽろ一斉批判の怖さ【ブラックアウトとSJW】

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ブラックアウト(大規模停電)による損害の賠償を、コープさっぽろが北海道電力に請求するニュース(2018年10月7日付け)が報道されたことにより、コープさっぽろが炎上するという出来事がありました。

ニュースが報道されるやいなや、SNSやYahoo!ニュースのコメント欄などでコープさっぽろに対する一斉批判が始まったわけですが、僕はその集中砲火のように行われる批判になんとも言えない恐怖を感じました。

Twitterでは「コープさっぽろ」がトレンド入りするほどで、ニュースへのリプライや引用リツイートの形で多数の批判が飛び交っていたのを覚えています。

※注)ちなみに翌日の2018年10月8日には、コープさっぽろが「各メディアによる北電への賠償請求のニュースは事実と異なっており、法的措置を取る考えがない」ことを公式HP上で発表しています。

参考:「停電で食品廃棄」コープ、北海道電力に賠償請求へ 損害9.6億円 - SankeiBiz(サンケイビズ)

参考:「コープさっぽろ 北電に賠償請求へ」というメディア報道に関して|生活協同組合コープさっぽろ

 

このニュースに関して僕個人としては「正直どっちでもいいんじゃない」くらいの感想しかなく、企業として訴える根拠があるのなら、後は裁判で白黒決着どうぞという感じで見ていました。

実際のところ仮に訴えてコープが勝ったとしても、企業イメージという観点で見ればマイナスになり兼ねないわけで、今回訴法的措置を取らない判断は正解だったと思います。

とはいえ、もしもコープが「イメージなんて関係ない!奪われた利益は取り返すんじゃー」って感じで訴えていたとしても、全く関係のない僕がそれについて必要以上に批判する気はなかったわけですが、世の一部のみなさんは違いました。

 

もちろん批判すること自体は自由なのですが、問題はその批判内容。

発言や行動内容を批判するだけにとどまらずに、やがてその批判はエスカレートし、企業自体を批判する内容へと変化していきます。

大勢の人が批判していることで勇気が湧いてくるのでしょうか?

タレントや芸能人でもそうですが、何かスキャンダルや問題を起こすと、起こした問題ではなく本人の人格や企業そのものが悪とされてしまいます。

 

この人格や企業自体が批判されると何が問題なのか?

それは本人やその企業だけではなく、家族や知り合いなど周りの親しい人までが、まるで自分が責められているような圧倒的な恐怖を味わうこと。

僕は普段からコープさっぽろをよく利用しているのですが、今回の炎上でその恐怖を少なからず感じることになり、改めて個人の人格や企業そのものを批判することがどういうことなのかを理解しました。

それはまるで重い鈍器で、無防備な心を永遠に叩かれているようなものです。

 

コープさっぽろは総菜のカツが大きくて安いので、いつも好きでよく購入しています。

離れて暮らす両親も、祖母を連れて毎週コープを利用しています。

そんな身近なコープが予想外の炎上。

恐らくコープを一度も利用したことなんてないであろう人達からの猛烈な批判。

大好きなコープが心無い言葉で責められている恐怖。

まるで家族や友達が炎上してしまったような感覚だったからこそ、初めて感じた批判する人達の異常性。

それはまるで後述する「SJW(ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー)」そのものでした。

※記事内のリンクにプロモーションを含む場合があります。

一斉批判の怖さと異常さを改めて感じた~暴走する「SJW」達~

一斉批判の怖さと異常さを改めて感じた~暴走する「SJW」達~

僕自身も芸能人の不倫やスキャンダルを見て批判もしますし、Twitterでそれらに関するコメントを自らすることも、リツイートすることもあります。

ただ今回に限っては、普段利用している身近な“スーパー”が批判されたこと、個人的には訴えることがそれ程ひどいことだと感じていなかったこと。

この2点が重なったことで、炎上したときのその批判の仕方や内容をとても怖くそして異常に感じてしまいました。

中には「もっと拡散させて、問題を大きくして、このままその会社が倒産するまで追い込んでやる」そんな意図を感じるような批判もあり、それはまるで格好の獲物を見つけて群がる炎上を餌とするハイエナのようです。

彼らにとって炎上は、格好のエンタメであり、弱っている相手を攻撃することで自尊心を満たす唯一の機会なのかもしれません。

 

コープさっぽろが北電を訴えることを批判するのは自由です。

「もっと違う方法がある」「企業努力で解決すべき問題」などなどそれぞれ意見もあるでしょう。

ただしそこから企業自体を批判し、さらには倒産にまで追い込もうとするのはやりすぎです。

これが企業ではなく、対ヒトであればどうでしょう?

どう考えてもそこまでの権利なんてありません。

 

必要以上に常軌を逸した批判をする人達は、まるで大魔王を倒しに行く勇者にでもなった気分なのでしょうが、このような人たちをネットスラングで「SJW(ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー)」と呼ぶそうです。

攻撃的だったり、独り善がりだったり、扇情的であり、自分の正義感からすぐに相手を断罪するのが特徴なのだそう。

参考:SJW (Social Justice Warrior) の意味・用法・例文|英語ネットスラング辞典

ネット上では匿名ということもあり、強気になってついついその批判がエスカレートしてしまいがちです。

何かを批判するのはとても簡単。

ですが、その批判が自分自身のちっぽけな自尊心を満たすためだけの、傍から見たら幼稚または異常な攻撃性を感じる発言になっていないか客観的に確認すべきです。

その発言、リアルの友人や家族に見せられますか?

ちなみにブラックアウトについて北海道民はどう思っていたのか?

ちなみにブラックアウトについて北海道民はどう思っていたのか?

当時、北海道のTBS系列の情報番組「今日ドキッ!」で、ブラックアウトについてアンケートを行っていました。

公式HP:今日ドキッ!|HBC北海道放送

アンケート内容は「ブラックアウトについてどう思うか?」を「仕方ない」「許せない」の2択で選んでもらうもので結果は以下の通り。

【アンケート結果:仕方ない:36%、許せない:64%】

意見としては、北電の経営陣を批判する声や、送電体制について改善を望む声が多く、仕方ないと答えた人でも「次同じことが起きたらさすがに許さない」といった意見もあり、全体的には批判が強いようです。

世間的には「ブラックアウトは自然災害が原因であり、それについてコープが訴えるなんておかしい」という意見が多かっただけに、この結果は意外でしたが、北海道民は実際に大規模停電を経験している当事者であり、北電の内情を多少知っていることなどから、このような結果になったのではと思います。

ブラックアウト検証委員会でも、復旧作業については評価しているものの、運用面では送電体制の余裕の確保が課題となっており、この点についての不満が「許せない」を多くした原因ではないでしょうか。

当事者である道民と外の安全圏から見た感覚では、やはり大きな差があるようです。

参考:地震でブラックアウト、北海道電力の対応は「不適切といえず」経産省の作業部会 - 産経ニュース

まとめ

何か問題が起こると横並びで一斉に批判し、人ならその人格、企業ならその企業すべてを批判する怖さや、異常性について改めて考えさせられる一件でした。

日本独特の「不寛容さ」や、常に平均であろうとする特異な感覚が、より炎上を攻撃的で過剰にさせるのでしょう。

このままではいずれ、あまりの窮屈さに日本から逃げ出す人も増えそうです。

これまで海外での生活なんて考えたことも無かった僕でさえ、最近は「国外脱出もありなのでは?」と考えることがあります。

 

とりあえず「寛容力のコツ」でも読み返しつつ、今後は何かネット上で批判するにしても、自分がSJWになっていないか確認してからTwitterなどでつぶやこうと思います。

あと、なんだか久しぶりに、反町隆史の「POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~」が聴きたくなりました。

「Spotify」で見つけましたので貼っておきます。

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