2018年7月の第4日曜日、7月22日は「親子の日」なんですね。
なんでも写真家のブルース・オズボーン氏が「親と子が共に向かい合う日、そしてその日を通じてすべての親子の絆が強められたら素晴らしい」との思いで始まった記念日だそうです。
そんな親子の日に、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が、13~22歳の子どもを持つ男女1,002名を対象に、インターネット上で『読書に関するアンケート調査』を実施しました。
そのアンケート結果の中で「子供へ本を贈りたい人が約4割」いて、贈りたい本の1位は「君たちはどう生きるか」となりました。
生きていく上で1つの指針になる1冊「君たちはどう生きるか」
この「君たちはどう生きるか」という本を僕は恥ずかしながら、このアンケート結果を見るまで知りませんでした。
吉野源三郎の小説版が1937年に発売されていますが、2017年に読みやすくなった新装版が発売されて、発売から1年で40万部のベストセラーとなりました。
さらに2018年の5月には漫画化され、この漫画版が多数のメディアに取り上げられたことで、2018年の8月現在ですでに200万部を突破するほどの人気となっています。
内容は主人公の2人である「叔父さん」から「コペル君」に宛てられた一冊のノートを通じて、今も昔も変わらない共通のテーマである、勇気やいじめ、貧困、格差、教養などについて、2人が真摯に向き合い、その姿や言葉からたくさんの生き方の指針を学ぶことができます。
この本を読むことで、人間関係やお金の問題、学習・教育などについて、その考え方に刺激を与えてくれる一冊です。
一度だけでなく何度でも読み返してじっくりその刺激を味わいたくなります。
また、中高生くらいになると社会との関わりも増え、その中での自分の存在について考えたり悩むことも増えてきますが、そんなアイデンティティを確立しようと悩み始める中高生にもピッタリで、親御さんが子供に贈りたいと思うのも納得でした。
この1冊を読むことで人間関係など全てがうまくいくわけでもないし、解決するわけでもありませんが、それでも長い人生を生きていく上での1つの指針になるのではないでしょうか。
合わせて読みたい“アンチテーゼ”となる1冊「みんなちがって、みんなダメ」
そして最近この「君たちはどう生きるか」にアンチテーゼとなる1冊の本が発売されました。
タイトルは「みんなちがって、みんなダメ」で、キャッチフレーズには「あなたが不幸なのはバカだから」「ベストセラー『君たちはどう生きるか』を読むとバカになる! 」「極辛劇薬人生論」と、なんとも強烈な文言が並んでいます。
内容は一言で表すと「身の程を知れ」でしょうか。
自分のできることとできないことを理解した上で、分相応に生きなさいと言っています。
この内容は先ほどの「君たちはどう生きるか」に比べると、考え方も過激で賛否両論あると思いますが、中高生が大人になる過程で自分の生き方を考えるときに、その1つの考え方として知っておいて損はないでしょう。
まとめ
できれば「みんなちがって、みんなダメ」を読むのであれば、「君たちはどう生きるべきか」と合わせて両方を読んで欲しいです。
それも一度ではなく、中学、高校、大学、社会人と環境が変わり精神的に成長していく段階で、改めて読み返してみて欲しいです。
高校生のときには断然「みんなちがって、みんなダメ」が正しいと思えても、社会人になって読み返してみると「君たちはどう生きるべきか」が正しいと感じることもあるでしょう。
あるいはその逆かもしれません。
違う目線、方向性、考え方、2つの理論を知っておくことで、1つの考え方に固執することなく、その時々の自分自身を肯定しやすくなるのではないでしょうか。
結局最後には自分にしっくりくる方を選べばいいのです。
その考え方でポジティブに少しでもなれるのなら、それがきっと正しいのではないでしょうか。