政府が氷河期世代、主に非正規雇用者の支援をするための行動計画2019を発表しました。
その予算額650億円。
これまで見向きもされず忘れられた世代ですらあった僕ら氷河期世代に、ようやく具体的な行政の支援策が発表された訳ですが、肝心の氷河期世代のみなさんはこの計画を知っているのでしょうか?
2019年も終わろうとする12月下旬。
世間はクリスマスムード一色だった時期に発表されたこの行動計画2019。
日々を生きていくのに精一杯で、政府の支援策なんて詳しく知る暇もなければ、どうせ大したことないだろう、自分には関係ないと興味すら持っていない方も多いのではないでしょうか。
確かに時期的に今更感たっぷりだし、予算的にも微妙です。
それでもようやく氷河期世代のために動き出したセーフティネット。
支援の期間はたったの3年しかありません。
現状の苦しい状況から這い上がるチャンス到来。
もしかしたらこれが年齢的に最後の希望の扉なのかもしれません。
政府が支援をしてくれると言うんですから徹底的に利用しましょう。
まずは「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」の概要を次の項目で確認していきましょう。
目次からジャンプ
就職氷河期世代支援に関する行動計画2019のポイントまとめ
- 3年間で氷河期世代に特化した対策に650億円超の予算を確保
- 国家公務員の中途採用枠で重点的に採用。統一試験の実施も予定
- 全国のハローワークに専門窓口を設置。専門の担当者がチームを組み、就職から職場定着までの支援を実施する
- 氷河期世代の引きこもり支援の強化。自立相談支援機関の窓口にアウトリーチ支援員(引きこもりなどで社会的に孤立している人を個別に訪問し就労支援などの自立をサポート)を配置。
- 就職氷河期世代の正規雇用者を今後3年間で30万人の増加を目指す
fa-angle-double-right詳しい内容は厚生労働省のHPをご参照ください⇒就職氷河期世代支援に関する行動計画2019について
批判はいつでもできる。セーフティネットを活用しよう
政府が発表した氷河期世代への行動計画2019。
詳細を確認すればするほど突っ込みどころが多数あるわけですが、そんなものは今は置いておきましょう。
氷河期世代にとって、この3年間はとにかく行動したもの勝ち。
今までずっと無視され冷遇され続けていた世代へ、やっとこさ名指しで予算を確保されたわけですからそのチャンスを生かさない手はありません。
というか、年齢的にこれが最後のチャンスくらいの覚悟が必要。
批判的な考えはゴミ箱へ捨ててまずは即行動。
今すぐに動き出しましょう。
それでも言いたい文句は今のうちに言っておけ
え?それでも政府や行政、世の中へ文句が言いたい?
仕方ない。
それではここで代わりに文句を言っておくので、これを最後に文句を封印しましょう。
は~スッキリしました。
氷河期世代の公務員の採用はもうすでに動き出している
厚生労働省本省での氷河期世代限定の募集がすでに始まっています。
受付期間は2019年12月25日~2020年1月10日までと短く、政府が発表した行動計画を知って、すぐに動き出した人だけが知ることのできる募集と言ってもいいでしょう。
受験資格には制限があるため、下記の募集ページを確認して今すぐGOだ。
fa-angle-double-right募集ページはこちらから⇒厚生労働省本省 就職氷河期世代採用選考│厚生労働省
氷河期世代のあなたが今すぐにできること
政府の行動計画2019を知ったうえで、それでどうすればいいの?と思っているあなた。
もう受け身の人生はここまでにしましょう。
目の前にぶら下がっているチャンスは自分で掴むしかありません。
誰も手取り足取り誘導なんてしてくれません。
まずは公務員試験について調べてみてはどうでしょう。
それくらいなら、ネットで検索するだけですからできますよね?
上記厚生労働省の採用試験の内容を確認するだけでも、今後の統一試験の概要が想像できます。
その上で、氷河期世代限定の公務員統一試験に向けて勉強開始。
「詳しい詳細が出てから勉強しよう」なんて悠長なことは考えずに、すぐに準備を始めるのが正解。
基礎的な部分を勉強しておくだけでもライバルに差を付けれられるはずです。
また統一試験の実施期間は3年間らしいので、2年目に照準を合わせるのもあり。
1年目で情報が出揃っていますから、絶望からの脱出をモチベにして、スナイパーのごとく狙いを定めて勉強あるのみ。
fa-angle-double-right今から本気で取り組むあなたへ【PR】⇒『公務員試験』対策なら法律資格・公務員試験専門の受験指導校・伊藤塾!
またすでにハローワークでは、氷河期世代向けに年齢制限のある求人がOKとなっていますが、今後は民間の就職サイトなどでも同様に氷河期世代向けの限定求人が解禁となるようです。
fa-angle-double-rightハローワークインターネットサービス
正直魅力的な職種からの求人は少なめと予想できますが、それでもこれまで年齢制限で応募すらできなかったわけですから、非正規から正社員への転職を狙っているのならこの期を逃しては勿体ない。
いつ解禁されてもいいように準備だけはしておきましょう。
氷河期世代の非正規は300万人以上なのに目標がたったの30万人?
2018年現在氷河期世代の非正規雇用者は371万人(総務省の統計より)。
fa-angle-double-right参照:労働力調査ミニトピックス No.21 「35~44 歳」世代の就業状況
それなのに政府目標はたったの30万人。
残りの350万人はどこへ行った?(笑)
政府が650億円を投じても、氷河期世代で救えるのは30万人というのが現実のようです。
世間と国がようやく氷河期世代に目を向けてもこのくらいのレベル。
ということは、今後3年間の対策が終わってしまうと、その反動でもっと厳しくなるような気がしてなりません。
国としては3年間もチャンスあったでしょ?
政府としては行動計画を作って動いたでしょ?今まで何やっていたの?
と言いたいだけの3年間なのかもしれませんが、こちとらこの3年が生きるか死ぬかの瀬戸際と言ってもいいくらい。
現在非正規で苦しい生活をされている方は、何としてでもこの30万人の中に滑り込むべきでしょう。
呪われた氷河期世代の受難は正社員になっても続く
さて無事正社員になれたとして、それでも安泰ではないのがこれからの時代。
なんとも氷河期世代とは本当に不遇な世代ですよね。
何が不遇って、リストラの対象がいよいよ40代にまできていること。
大手企業でも大量のリストラや早期退職の実施が相次いでいます。
fa-angle-double-right参考:リストラ数は6年ぶりに1万人超え。業績好調でも早期退職者を募集する理由 | Business Insider Japan
fa-angle-double-right参考:40代のリストラ加速。人手不足は大嘘で、超低賃金の単純労働者だけを求める日本社会=今市太郎 | マネーボイス
僕ら氷河期世代より上の世代はバブルも経験し、いい思いをした上で、使えない社員がリストラされるのならまだ納得できます。
新卒時は圧倒的な狭き門。
いざ政府が氷河期世代の対策を講じたら、今度はリストラの対象年代に突入。
もうこれ人生難易度高すぎて、無理ゲー通り越してクソゲーと化しています。
ちなみに僕ら氷河期世代が70、80代になり、介護されるような年代となるころには社会保障費も限界を迎え・・・・。
これはもう不遇というより呪われた世代なのかもしれませんね。
せっかく正社員の座を手に入れても、すぐにリストラの対象になってしまったら身も蓋もありません。
せめて会社にとって必要な人材になるべく、考え方や生き方を変えていく必要がありそうです。
40代前後の転職者に求められる人材像
本来会社が40代の転職者に求めているものって何でしょう?
即戦力であることは当たり前。
特定の専門職を極めたプロだったり、マネジメント経験のある幹部職候補が求められる人材です。
じゃあこれまで非正規として働いてきた氷河期世代はどうかというと、正直上記を求められても難しいと思います。
ではどうすべきか?
せめて素直で能動的であれ。
働く職種にもよりますがせめて「素直」、そして「能動的」であるよう心掛けておくべきです。
僕もそうですが、40代前後になると考え方が固くなって狭量な人間になりがち。
頑固なのは良い部分もありますが、入社してきた新人が頑固で偏屈だなんて受け入れる側からしてみたら最悪です。
だからせめて言われたことや教えられたことは、素直に受け入れる努力はすべきでしょう。
例え上司が年下であってもです。
常に斜に構えた態度で、上司や先輩からの指示には文句ばかり。
挙句の果てに言われたこと以外何もやらない指示待ち状態では、速攻ゴミ社員と化しますのでご注意を。
ハローワークも氷河期世代の支援に動き出すぞ
全国の主要なハローワークに、氷河期世代のサポートを目的とした専門の窓口が設置されます。
キャリアコンサルタントや職業訓練、求人の開拓など、それぞれの分野の担当者がチームを組み、就職の相談から職場の定着まで一貫したサポートが行われます。
さすがに手取り足取りではないでしょうが、これまでにない手厚いサポートであることは間違いありません。
さらに就職氷河期世代向けに短期資格等習得コースが設置予定。
働きながら取得しやすいように、夜間や土日、eラーニングでの訓練も受けられるようです。
職場体験やOJTも合わせて受けられるため、より実践的な習得が可能となりそうです。
また職業訓練の受講であれば給付金も支給(要件あり)されるため、窓口で合わせて確認しておきましょう。
これだけの手厚いサポートが受けられるのは今だけ。
今までハローワークへの相談を躊躇していた方も、今はむしろウェルカムなわけですからとても行きやすい環境になります。
これを機にお試し感覚で顔を出してみるのもいいかもしれません。
引きこもりから脱出する最後のチャンス?
今回の行動計画2019にはひきこもり対策も入っています。
自立相談支援機関の窓口にアウトリーチ支援員なるものを配置するようなのですが、要はこれまで40歳未満を対象にしていた支援を氷河期世代にまで拡大するという内容です。
これまで見過ごされ居なかったことにされていた氷河期世代のひきこもりにも、ようやく行政の支援が回ってくるようですが、具体的にどれだけの効果があるのか僕には分かりません。
fa-angle-double-right参考:ひきこもる就職氷河期世代。ひきこもり100万人時代、中心は40代。家族が苦悩する「お金問題」 | Business Insider Japan
ただ別の視点で見ると、今回の行動計画はひきこもりを脱出するいいキッカケになるのかもしれません。
ガチガチのひきこもりというわけではなく、何となくひきこもっている人。
キッカケさえあれば就職してまたバリバリ働きたいと思っている人。
何かあと一押しあれば、誰かが背中を押してくれればと思っている人。
そんな方であれば今回の行動計画はいいキッカケです。
一度ひきこもってしまうと「もう一度働きたい」って家族にも何だか恥ずかしくて言いづらいですよね。
でも行動計画2019を理由にすれば、理由として説得力もあり言いやすいのではないでしょうか。
それに今のところ支援の期間は3年。
期限があることで、これが最後のチャンスかもと思えば尻に火がついて、恥ずかしいとかもう言ってられなくなります。
ハローワークも氷河期世代専門の窓口を設置してチームを組んで対応してくれるわけなので、とにかくこの3年が勝負と思って人生賭けてみるのも悪くないと思います。
おわりに
政府がまとめた氷河期世代の支援策「行動計画2019」について紹介しました。
新卒の有効求人倍率は1.0以下となり、フリーターや非正規雇用がある意味当たり前ですらあった時代。
僕も例に漏れずフリーターを長く経験していますが、本当に振り返ってみると時代に翻弄されているというか、自己責任だけでは片づけられない片づけて欲しくない世代だし時代だったと思います。
僕ら氷河期世代の多くはもう40代。
失われてしまった時間、お金、経験があまりにも多く悔しくて仕方ないですよね。
50代が近づいてくるにつれ増えていくであろうリストラや、親世代の介護に、やがてくるであろう自分たちの老後の生活。
考えれば考えるほどに不安で仕方ありません。
それでも人は生きていかなければなりません。
どうかこの行動計画2019の支援をきっかけに、多くの氷河期世代のみなさんが希望の光を手に入れることを願ってこの記事を終わりにしたいと思います。