世の中には、平気で人をだましてお金をむしり取ろうとする人間がいます。
以前「【すぐ閉じて!】2018年間ビジターアンケートはフィッシング詐欺です」の記事を書きましたが、これも悪質な詐欺の一つです。
そしてさらに悪質でかつ身近な詐欺といえば「振り込め詐欺」です。
先日僕の実家にも、振り込め詐欺の電話が掛かってきました。
深夜12時に実家から電話あって、焦って折り返したら、
どうやら振り込め詐欺っぽい電話があったらしい。
「〇〇だけど」って名前だけ言ってすぐ切ったらしく、
そこから折り返してもらう手口らしい。
でもな~実家の電話くそ古いから着信番号出ないんだ笑
全く今更オレオレ詐欺とかやれやれだよ。— いかせんも (@ikasenmo) 2018年10月14日
少し口が悪いですが、両親は心配しているし、僕も深夜に実家から電話があって、こんな時間に何かあったのかと思ってかなり焦りました。
結果よくある振り込め詐欺だったわけですが、両親は深夜に起こされるわ、僕もちょうどお風呂がりに実家からの着信を見て焦らされるわ、たった数秒の電話だとしても土足で家族をかき回して混乱させているわけで、本当にめちゃくちゃ腹が立ちました。
今回は被害に遭うこともなく良かったのですが、離れて暮らす両親がいるとやっぱり心配になるものです。
いい機会だと思って、振り込め詐欺の実態や被害を未然に防ぐ方法について調べてみました。
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振り込め詐欺の代表的な3つの手口と被害を未然に防ぐ方法
そもそも振り込め詐欺とは特殊詐欺と呼ばれる詐欺の一種になります。
振り込め詐欺(ふりこめさぎ)とは、電話やはがきなどの文書などで相手をだまし、金銭の振り込みを要求する犯罪行為。詐欺事件の総称として2004年に警察庁が命名した。面識のない不特定多数の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、対面することなく被害者をだまし、被害者に現金などを交付させたりする特殊詐欺の一種。
事前に詐欺の手口を理解しておくことが、被害を未然に防ぐ一番の方法です。
また離れて暮らす両親へも、事前の防犯対策をしてあげることができますし、まずは改めて振り込め詐欺の手口について確認していきましょう。
1オレオレ詐欺
これは誰もが知るメジャーな詐欺の手口ですね。
振り込め詐欺=オレオレ詐欺と思っている人も多いのではないでしょうか。
オレオレ詐欺なんて、今更自分は大丈夫だと思っているかもしれませんが、平成29年のデータを見ると、今でも被害総額・認知件数共にこのオレオレ詐欺が一番多く、たくさんの方がだまされてお金を渡してしまっています。
僕の実家に掛かってきた電話もオレオレ詐欺で、「○○だけど」って一言だけ言ってすぐ切ったようです。
この手口はいたってシンプルで、名前を名乗って電話を切る⇒心配になった両親が着信番号へ折り返す⇒様々な理由でお金を振り込ませようとするとなります。
こんな単純な手口でも実際に電話があると焦ってしまうものです。
今回僕の実家では、そもそも着信番号が出ない古いタイプの電話だったため、すぐに折り返すことなく、僕のスマホに電話してきたわけですが、もしも着信番号が分かっていたら、焦ってすぐに折り返していたかもしれません。
オレオレ詐欺の手口も色々あって、子供や孫を名前を名乗る一般的なものから、警察官を名乗ってくるパターンもあります。
子供や孫を名乗るにしろ、警察官を名乗るにしろパターンは一緒です。
お金に関するトラブルが発生したと話す⇒両親や祖父母を心配・不安な気持ちにさせる⇒焦った状態を利用し、今すぐにお金が必要であると要求。
警察官を名乗るパターンは例え知っていても焦りそうです。
警察官だと名乗られたら、こちらからすぐに電話を切ることはせずに、一応話だけは聞いてしまいますよね。
それでも、焦らず冷静に話を聞いていれば、内容が矛盾していたり、警察官であれば要求しないようなおかしなことを言ってくるので、大抵は気付けるはずです。
オレオレ詐欺を防ぐ方法
1:すぐにその場で行動を起こさない。
電話であればすぐに折り返さない。お金はすぐに振り込まない。振り込みにいかない。
単純ですが、これでオレオレ詐欺はほぼ防げるはずです。
子供や孫を名乗る電話であれば、必ず携帯電話に折り返して確認する。
警察からの電話であれば、その場で長々と話を聞かず、担当者名と警察署を聞いて、その警察署へ電話をして確認する。
また警察署の場合は、電話相手から教えられた番号ではなく、必ず自分自身で調べた番号に電話をすることが大事です。
2:合言葉を決めておく。
両親や祖父母との間で電話をするときの合言葉を決めておきましょう。
僕も今回を機に両親と合言葉を決めました。
3:個人情報や暗証番号は絶対に教えない。
電話でキャッシュカードなどを要求し、実際に家にまで来るパターンもあります。
電話やネット、訪問などで暗証番号を聞いてくるパターンは全て詐欺です。
個人情報も含めてどんなことがあっても教えてはいけません。
4:電話機用録音機の導入
「電話機用録音機」の導入は極めて効果的な、迷惑電話対策になります。
録音機には着信時に振り込め詐欺に関する警告と、会話内容が録音されていることを音声で再生し電話相手をけん制してくれる機能がほとんどの機種で付いています。
実際にこの録音機を導入した自治体では、被害をほぼゼロにまで抑えることができているようでその効果は絶大。
僕の実家でも、詐欺っぽい電話が何度か続いたため導入しましたが、その後迷惑電話の頻度は明らかに減りましたし、なにより事前警告が流れるため、誤って不意打ち的に受話器を取ってしまうことがなくなりました。
詐欺師にしてみたら「電話に出てくれさえすればこっちのもの」と思っているでしょうから、そもそも知らない番号からの電話に出なければ、詐欺師は電話での誘導が困難になりますので被害に遭うこともなくなります。
fa-angle-double-right参考:自宅の固定電話が危ない!|警察庁Webサイト
以下は市販されている電話機用録音機です。
また、迷惑電話対策機能が始めから搭載されている電話機もあります。
僕の実家で購入したのはこちらのタイプ。
オレオレ詐欺の対策用として合わせて参考にしてください。
2架空請求詐欺
これもメジャーな振り込め詐欺の手口ですね。
インターネットのサイト利用料を、様々な理由を付けてメールで請求してくる手口が一番有名でしょうか。
さらに「架空請求にだまされた人を追撃で狙う架空請求」もあるので要注意。
フィッシング詐欺で個人情報を登録してしまった場合に、その人に対して「個人情報削除のサービスがある」とメール等で連絡し、手数料等の名目でお金を振り込ませようとしてきます。
流れ的には、個人情報が漏れているから今すぐ削除するべき⇒様々な理由で削除するにはお金がかかる⇒お金を振り込ませるのような感じになります。
フィッシング詐欺でだまされて焦っているところに付け込んで、さらに「個人情報削除でお金がかかる」とだましにかかる、まさに人として最低最悪の所業です。
また最近は、法務省や裁判所っぽい名前を語る詐欺も増えています。
基本的にこういった所からいきなりメールが届くことはありませんので、もしもそれっぽいメールが来た場合はすぐ削除でOK。
心配であればメールのタイトルや文面などで検索すると、同様のメールが来ている報告が多数あるはずですので、一度ネットで検索してみるといいでしょう。
1つ注意としては、本当に裁判所からの書面が届いているパターンです。
この場合放置していると、そのまま債権が確定してしまいます。
詐欺師は「支払い督促」という制度を悪用し⇒架空の債権を確定⇒財産の差し押さえを狙ってきますので、不安な場合は市区町村で行っている弁護士の無料相談や「法テラス」などを利用して相談してみましょう。
架空請求詐欺を防ぐ方法
とにかく無視することが一番です。
心配になってメールやハガキに記載されている連絡先に、思わず連絡をしてしまいたくなる気持ちはわかりますが絶対にやめてください。
仮に連絡をしてしまうと、だましやすいいいカモだと思われてしまい、更なるブラックリストに名前が追加されてしまうかもしれません。
どうしても心配な方は、直接の連絡は避けて各種相談機関に相談をするべきです。
また例外として、裁判所からの書面だけは無視せず必ず対応するようにしましょう。
3還付金等詐欺
ここ数年で増加傾向にあるのがこの還付金等詐欺です。
医療費の過払い金や、年金の未払い金があると嘘をついてお金をだまし取る詐欺です。
代表的な手口は⇒自治体や税務署の職員を名乗り電話⇒還付金があるので支払いたい⇒期限があり急ぐ必要がある⇒そのままATMへ誘導⇒入金するといいつつ振り込みの操作⇒後で落ち着いて通帳を確認すると、振込されるどころかよくわからない名義のところへ振り込みをしてしまっていた⇒詐欺と気付くとなります。
メールやハガキでのパターンもあると思いますが、現在は電話でATMへ誘導する手口が一般的です。
中でも、「期限が過ぎているけど今回は特別に」や、「急いで手続きをしないと間に合わない」など、焦らせることで通常の判断を鈍らせて、そのままATMへ誘導するのが王道のパターンのようです。
ご丁寧にあらかじめ自宅近くのATMを調べて案内してくれるようで、だまされていることに気付いていない場合、なんて親切な方と思ってしまうのかもしれません。
結果、親切な方が嘘を付くはずがない⇒自分のために時間をかけてくれている⇒ATMの操作まで案内してくれるなんてどこまで親切なんだろう⇒得体のしれない口座に振り込みしていることに気付かない⇒結果だまされてしまうことになります。
還付金等詐欺を防ぐ方法
電話で還付金の連絡なんてありません。
さらにATMで還付されることなんて100%ありません。
通常は書面で連絡⇒還付先の口座を書面に記入⇒還付先へ持参または送付⇒数か月後に指定の口座に振り込みが一般的でしょう。
詳細は必ず各自治体や年金事務所、税務署へ確認をしてください。
ATMの操作に慣れていない高齢者を狙ってくることが多いです。
そして実際、被害にあっているのはほとんどが高齢者ではないかと思います。
もしも、携帯電話で話しながらATMを操作している高齢者を見かけたら、その場で一声かけるか、もしくは窓口が併設されている場合は、職員の方へ連絡し確認してもらうようにしましょう。
電話しながらATMを操作することなんて、余程忙しいサラリーマンぐらいでしょうし、高齢の方がATMで電話していたら怪しいと思った方がいいでしょう。
振り込み詐欺の進化系ピンポン詐欺
“もしもし”から“ピンポン”へ。
東京や千葉など一部の大都市圏を中心の新たな振り込み詐欺が増えているようです。
参考記事:振り込め詐欺が形を変えて拡大中、「ピンポン詐欺」の極悪手口 | 地下経済の深淵 | ダイヤモンド・オンライン
リフォーム会社として訪問し、本来必要のないリフォーム工事が必要だと信じ込ませ工事をするのが第一の手口。
さらにここからが怖い。
同じ詐欺グループのメンバーが今度は、遺品コンサルティングとして訪問し、相続や遺産整理などを利用しお金をだまし取っていくようです。
しかもこれで終わりではなく、最終的には全ての財産を根こそぎ持っていくのが狙いです。
詳細な手口は参考記事を確認してください。
この詐欺の怖さは電話ではなく、直接訪問されることです。
しかも振り込め詐欺の手口を利用し、それぞれの役割分担まで決めて組織として行っているのが怖いですね。
田舎だと、訪問者が来たときに、怪しまずに玄関のドアを開けてしまうでしょうし、一見真面目そうな見た目で、名刺もそれっぽいと、信じてしまいだまされてしまう人もいるのでしょう。
リフォームでだまされた人は、次もいけると判断されて、最終的には家など財産全てを根こそぎ持って行かれてしまいます。
だまされないようにするには、不用意に玄関を開けないことですが、大きな金額の契約は1人で判断せず必ず家族と相談するよう、日頃から家族で話し合っておく必要がありそうです。
高齢の両親や祖父母が1人暮らしの場合には、特に狙われやすいので注意が必要です。
不用意に玄関を開けないこと、大きな買い物や契約をするときは必ず相談する。これらは出来るだけ徹底するようお願いした方が良さそうです。
またそのためにも家族関係は良好にしつつ、相談しやすい環境を整えておく必要もありそうです。
まとめ
今回は振り込め詐欺の代表的な手口と、それらを未然に防ぐ方法についてご紹介しました。
詐欺の手口はAIやウイルスと同じで、常に進化し新たな手口が次々と誕生します。
いくら個別に対策をしても、それらの抜け道を見つけては財産を奪おうと全力で向かってきます。
オレオレ詐欺にしても、架空請求や還付金詐欺にしても、全てに共通しているのはターゲットを動揺させて焦らせることです。
焦らせることで、通常の判断力を無くし、その勢いのままお金を奪おうとしてきます。
まずは落ち着き、例え心配で今すぐに行動したくなったとしても、一度必ず「確認」の行動をすることが大切です。
電話を折り返すときは、着信した番号や言われた番号ではなく、本人の携帯や自治体の正式な番号へ電話する。
メールで請求されたときは、メールに記載のリンクではなく、公式サイトのHPで直接確認するなど、一度確認作業をすることでほとんどの振り込め詐欺は未然に防ぐことができるはずです。